2024/06/02 10:52
夢現房(私)がよく使う塗装は、オイル塗装です。
オーダー頂いた家具などを丁寧に作り上げて最後に仕上げるのがオイル塗装なのですが
これが結構重要。。
製作した作品の耐久性にも関わってくる重要な作業となります。
塗装は主に、ウレタン塗装とオイル塗装の2種類がありますが、私はオイル塗装を行っています。
ウレタン塗装とオイル塗装には、どんな違いがあるか書いてみました。
オイル塗装
オイル塗装は植物性のオイルを無垢材の繊維に染みこませる塗装方法です。オイル塗装の家具は塗膜でコーティングをしないため、天然木の質感やそのままの美しさを直接楽しむことが出来ます。
表面を膜で覆っていないため表面がサラサラになり、天然木ならではの自然のままの質感を味わうことができます。
ウレタン塗装の家具に比べ、塗膜が無く木の調湿機能が発揮できるため使い込むほどに色艶が増しやすく味わい深くなっていきます。
木の経年変化共に、思い出が染みこまれていく様子を楽しむことが出来るのがオイル塗装です。
◎オイル塗装の長所
★木の良さを引き出すことが出来る
オイル塗装は、木独特の手触り、質感、色合い、風合いを最大限に引き出してくれます。オイル塗装の場合、経年変化で色が変わったり、木の表面が引き締まってきて、時間を掛けることでしか出来ない照りや風合いが出てきます。
★メンテナンスがしやすい
オイル塗装された家具のメンテナンスは、難しいテクニックはいりません。基本は乾いた布で拭き取りでOKです。その他いくつかポイントを抑えて作業すれば、簡単に家具のメンテナンスをすることが出来ます。
★自分でケアが出来る。
特別な施設、道具は要りません。木の家具は日々お使い頂いて、時々メンテナンスをすることで、段々魅力が増してきます。家具の状態を確認するためにも、お使いになるお客様自身にメンテナンスして頂くことが大切です。
◎オイル塗装の短所
★塗膜が薄いため傷、汚れが付きやすい
オイルとワックスが表面にごく薄い塗膜を作りますが、傷や汚れを完全に防ぐことはできません。大きくへこんだ傷や、木部に浸透した汚れはワックスだけでは落とす事が出来ないため、やすりやカンナをつかってのメンテナンスが必要になります。
★撥水性に限りがある
オイルやワックスには撥水性がありますが、完全に防水することはできません。冷たいコップなど、長時間水分を含んだものを置いておいたり、何かをこぼすなどして大量の水分にさらされると、木部に水分が浸透し毛羽立ちや変色、変形の原因になります。
★撥水性などの効果が時間とともに低下する
オイルやワックスを塗っても、家具を使ううちにふき取ったり自然に油分が飛んでしまうため、撥水性や防汚性は低下していきます。必ず定期的にオイルやワックスを塗布し、状態を回復させる必要があります。
★熱や紫外線に弱い
熱いものの熱によって、家具が変色したり変形する事を防ぐ力はありません。ポットなど熱いものを置く際は鍋敷きなどを使うことをお勧めしています。
また、紫外線によって木の表面が日焼けを起こすことを防ぐ力はありません。家具の上に物を置いておくと跡がつくことがあります。
★大量生産のものには不向き
塗付、ふき取り、乾燥、サンディング、塗付、ふき取り・・・と、時間のかかる工程を何度か繰り返して仕上げる塗装法なので、大量生産品の塗装には向いていません。
以上のような、良い点と、良くない点を上げてみると、メンテナンスの必要性をよくご理解いただけると思います。また、良し悪し両面を考えてもなお、木の家具の塗装にはオイル塗装を選ぶだけの価値と魅力があると思います。
MGB Furniture~夢現房~